大学入試に最大のエネルギーをつぎ込む日本人の中・高生に対し、アメリカでは勉強はもちろんのこと、デイトにアルバイトにと精を出し、青春を謳歌します。しかし親から見れば、いちばん危なっかしい時期で、ハラハラのしどおしでもあるものです。まず、男として女としての成熟度が、はるかにアメリカ人のほうが早いことがあげられます。ハイスクールに行ってみると、女生徒のかもし出す、“女"としての雰囲気に圧倒されます。男の子にもてることを旨として育っている彼女らですから、男女交際も主導権は女性の側にあり、非常に横極的です。男の子がこのなかを泳ぎぬけていくのは、ずいぶんとたいへんなことだろうなと、苦笑と同謄の思いがこみあげます。早熟で思慮に欠ける男女交際の結果としての妊娠とエイズ、それにアメリカ全土を覆う麻薬、この3つにひっかかることなく、無事切りぬけることができるかが最大の問題です。アメリカでは法的には18歳で大人ですが、だいたい親は16歳を過ぎると細かい口出し、指図を控えます。つまり16歳までに仕込んでしまい、16~18歳の期間は親がじっと見守る、そして18歳で大学に行くことによって親のもとを巣立ちます。日本よりはるかに若い年齢で親の影響力がなくなるわけです。多くの州が16歳で運転免許証を与えます。今まですべて親に依存していた行動の不自由から、一挙に解き放たれる気分は、さぞやと思わずにはいられません。多くの高校では、免許取得前のdriver'seducationを学校内で行なっています。よく日本人には、16歳で免許などとんでもないとか、事故を起こしたら大変だからとか、出歩いて勉強しなくなると|水|るからといって、免許証を取らせない親がいます。これは著しい疎外感を本人に味わわせ、好ましいことではありません。アメリカ社会のなかに住んでいれば、運転免許を16歳で持つということは必須条件なのです。危なっかしくは見えますが、それが責任ある行動をとる大人への洗礼なのです。ハシカにかからずに大人になれないのと同じです。アメリカの親は黄任の重さを自覚させるため、保険料は本人に払わせるくらいです。デイトに出かけるのも、アルバイトをするにも、運転免許なしでなど過ごせません。多くの高校生は、スクールバスがあっても車で登校します。学校が終わってからの課外活動に、学校から直行するアルバイトにと、自分で運転して出かけます。アルバイトは大学受験の項でも述べるごとく、社会に参加し、責任感を持つために大切なものとして奨励され、評価されます。アルバイトの経験皆無などという履歴書では、まず人格を疑われてしまいます。小遣いがほしいから働くばかりではなく、社会からの評Illilとして求められるのがアルバイトです。また、進学しようとする大学の進路に関係のあるアルバイトをハイスクールでしていることは、選考の折にたいへん有利となります。普段の勉強もまた、実に一生懸命やります。なぜなら、9年生から12年生までの成績すべてが大学での選考の重大要素なので、日々の勉強をおろそかにはできないのです。ハイスクールはホームルーム制度でなくなるために、ほとんどの学校ではカウンセラーと呼ばれる専門の先生がおり、生徒1人ひとりの成績、行動をつかんでいます。
そしてアルバイトや進学、個人的に悩みの相談にのってくれます。